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赤いクレヨン

賃貸ではない自分の家を持つことは、サラリーマンの夢であるといえます。新築にしても中古にしても、住宅物件は清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟をしなければならないほどに値が張ります。もしも、手ごろな価格で程度のよい中古物件が出ていたらあなたはどうしますか?

中古物件と赤いクレヨン

「赤いクレヨン」の話は、そんな一国一城の主を夢見る家庭を襲う怖い話なのです。




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「赤いクレヨン」の概要

ある夫婦が今まで暮らしていたアパートが手狭になってきたことと、貯金が溜まったので念願だったマイホームを購入することを決めた。新築するだけの資金はないので中古物件で妥協することにして、不動産屋に相談した。「出物だ」という価格の割には綺麗で適当な広さの中古住宅を購入することになった。引越しを終えて新生活を始めた二人は、あることに気がつく。掃除した後でも廊下に赤いクレヨンが落ちていることがあるのだ。夫婦は不動産屋に「この家で何かあったのか」と聞くが、不動産屋は「そういった事件は起きていない」と答えた。しかし、何か思うところあったのか不動産屋は夫婦の元を訪れて家を再検証することにした。何も変わったことはないように見えたが、不動産屋は家の間取りから「存在しなければならない部屋」があることに気づく。不動産屋は夫婦に了解を取って、夫と一緒に壁を壊し、隠されていた部屋を発見する。部屋の壁には赤いクレヨンで「オカアサンダシテ オカアサンダシテ オカアサンダシテ オカアサンダシテ……」とびっしり書かれていた。

赤いクレヨンはいつ広まったか

この「赤いクレヨン」の話は、インターネットが普及する以前から広まった怖い話ですがインターネットによってさらに拡大して広まっていった怖い話でもあります。最初に「赤いクレヨン」を世に広めたのはタレントの伊集院光氏で、伊集院氏のラジオ番組への投稿がそもそもの始まりであるといわれています。伊集院氏のラジオ番組は若者層を中心に人気が高く大量の投稿が寄せられるので、怖い話企画を行った際に投稿された一篇の話がそもそもの元となっているようです。赤いクレヨンはインターネット上でも人気が高く、奇妙な余韻を残すように推敲したものが数多く見られる話でもあります。

赤いクレヨンの背景とは

赤いクレヨンは、中古住宅を舞台にした怖い話です。しかし、通常の家にまつわる怖い話と違って、幽霊も何も出てきません。せいぜい赤いクレヨンが現れるだけです。ただ、「封印された部屋」「赤いクレヨンで書かれた言葉」「子供の存在が暗示されている」といった要素が怪異として作用しているのです。

不動産業界の性質が背景か?

怖い話の定番といえるのが、「賃貸住宅・中古住宅に引っ越してから怪異が起きるようになった」という話です。こういった怪異が起きる物件や、入居者が何らかの理由で落命したことがある物件は、不動産業界では「心理的瑕疵物件」と呼んでいるようです。心理的瑕疵物件は同程度の物件よりも家賃が安く設定されているため、入居希望者も多いようですが部屋で起きる怪異に根を上げたり、怪異に引き摺られてしまったりすることがあるのが欠点です。それに、心理的瑕疵物件であることを知らせる義務があるのは心理的瑕疵物件になった原因が起きた後に入る最初の入居者のみに限定されています。つまり、二人目以降は知らせなくてもよいのです。「赤いクレヨン」には、そういった物件も貸し出してしまう不動産業界への潜在的な不信感が背景にあるように見えます。

現代の親子関係が温床か?

「赤いクレヨン」の話は、「値ごろな中古住宅には過去何かが起きた」ことを暗示しています。その「何か」というのがおそらく「虐待」です。「閉じ込められた子供が母親に許しを請いながら部屋に赤いクレヨンで謝罪を書き連ねた」という光景が容易に想像できます。しかし、それはそれで何か違和感があります。「お仕置き部屋として使っていた部屋をなぜ封印したのか」「なぜ書き残した言葉を消さなかったのか」「なぜ赤いクレヨンだけが現れるのか」という疑問に答えられていないからです。

赤いクレヨンは赤い洗面器だ

人気脚本家の三谷幸喜氏の作品には、「赤い洗面器の男」という笑い話がたびたび登場します。しかし、この話はいつも「向こうから水を満杯に入れた赤い洗面器を頭に乗せた男が歩いてくる。その男になぜ洗面器を乗せているのかを聞くと…」というところで止まり、先を知ることが出来ないのです。しかし、この話を最後まで知っている人が言うには「抱腹絶倒の面白い話」だというのです。この「赤い洗面器の男」は笑い話としてのオチが欠落していることで注目される話になっているのです。赤いクレヨンも、怖い話ではあるにもかかわらず聞き手が抱くさまざまな疑問への明確な答えが欠落している話です。だからこそ人をひきつけ、人口に膾炙するのでしょう。


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赤いクレヨン






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