ホーム
サイトマップ
HOME>>ネット発・現代の怖い話から読み解く

ネット発・現代の怖い話から読み解く

1990年代中盤からインターネットが急速に普及したことによって、怖い話を取り巻く空気そのものが変わったように感じます。それまでの怖い話は、友達同士で仕入れてきた話を教えあうか、テレビや雑誌などのメディアから伝わってくるものを拾い集めるものでしたが、インターネットの普及以後はインターネットを介して膨大な数の怖い話が世間に溢れるようになったのです。そんな、インターネットや携帯電話といった技術の発達・普及によって登場した現代の怖い話を分析してきます。

現代の怖い話を読み解く

21世紀に突入した現代では、様々な怖い話が日々生まれ続けています。新時代の怖い話のほとんどは、インターネットから発信されていると言っても過言ではありません。なぜ、インターネットの普及によって膨大な量の怖い話が生まれるようになったのでしょうか?




スポンサードリンク


情報発信力の普及が怖い話を変えた

パソコンを通して情報を発信できるメディアは、インターネット以前にはパソコン通信が存在していましたがアマチュア無線などと同じくごく一部の人が行うマニア的な趣味であったと言えます。インターネット以前に情報を発信できるのはテレビ・ラジオ・雑誌・書籍などの限定されたメディアと口コミだけだったのです。インターネットが普及した原動力となったのは、「個人が世界中に情報を発信できる」ことと「日本や世界中の人とコミュニケーションできる」ことです。この二つの特性が、怖い話にも大きな影響を与えたのです。

創作怖い話も瞬く間に広まるネットの力

1990年代前半、小学生の間で「人面犬」の噂が広まりました。当時は「現代の口裂け女」とも呼ばれるほどに全国的に広まり、次々に目撃談が現れ人面に見える動物のブームまでも起こりました。しかし、近年になって「人面犬」はあるティーン向け雑誌の編集者らが創作して広めたものであったことが判明しました。このように、メディアには話を全国的に広めることが出来る力があります。しかしインターネットの場合、雑誌やテレビよりも早く広範囲に話題を広めることが出来るのです。「出来るだけたくさんの人に話したい!」と考える人には好都合と言えます。

インターネットの即時性と情報伝播力

インターネットの場合、作成から店頭に並ぶまでに数日から一ヶ月ほどのタイムラグが存在する、テレビや雑誌などの既存メディアよりも強い即時性を持っています。何しろ、自分で作ったデータをネット上に反映させればいいのです。編集も印刷所に持っていく必要もないのです。この即時性が強く出ている電子掲示板やブログで、今日も怖い話が発信されているのです。

現代の怖い話の特徴とは

インターネットや携帯電話を介して現代に流布する怖い話には、ネット普及以前とはまったく様相が違っているものがあります。

余韻を残すもの

インターネット上の電子掲示板から流布していく怖い話は、尻切れトンボになってしまっているものも多くあります。ただそれゆえに「何が起きたか」だけがクローズアップされ、妙な余韻を残しているものもあります。インターネットの特性上、報告者が居なくなっても話自体が存在し続けることは珍しいことではないのです。

門外不出の伝承

「誰でもが情報発信者になれる」というインターネットの普及は、それまで外には出てこなかったある地方・ある一族に伝わる風習や怪異を広めることにも一役買っています。本来は部外者に語られるべきではない話が、インターネットを通して流布していくことでさらに怪奇性を増していくのです。

新しく創作された話

世間に流布する怖い話の中には、まったくの虚構も存在しています。しかしそういった創作話も、近年のJ(ジャパニーズ)ホラーブームの影響を受けていてディテールが精密になったものが多くなっています。創作された怖い話は、インターネットと言う媒体を利用して現実と虚構を侵食する新しい怪異となりつつあるのです。

現実に伝播する怪異

怖い話には、数を重ねるほどに怪異が起こりやすくなるという性質があります。そしてインターネット上には怖い話を集めたサイトや、電子掲示板に書き込まれた怖い話を纏めたサイトなど、雑誌や書籍よりも遥かに多くの怖い話を一度に読むことが出来るサイトが数多くあります。そういったサイトに熱中しているうちに、何らかの怪異が現実で起こったという例も少なくないのです。

今までに聞いたことのなかった話

インターネットの利点は、既存のメディアにあった選別が行われないということです。「メディアを使って不特定多数には公開できないような怖い話がある」というのは、ある種の暗黙の了解になっています。疑いようのない本物の怪異がテレビで放映されたら、世界の共通認識そのものを大きく揺るがしかねないからです。そういった強い影響を与える話はテレビや雑誌などでは取り上げられない、いわゆる「ボツ」にされるのですがインターネット上には多数の怖い話を語る場所が用意されているのです。

新しいメディアを利用した怖い話

既存の怖い話の中には、怪異が電話やポケットベルなどの通信手段を使用しているものも多数見受けられます。現代の怖い話では、携帯電話は当たり前で電子メールや電子掲示板にインスタントメッセンジャーを利用し、果てはサイトを開設している怪異さえ存在しているのです。まるで人間の変化に、怪異が追いつき追い越そうとしているようです。

なぜインターネットが怖い話を盛り上げたのか

では、なぜこれほど多彩な怖い話がインターネットによって流布するようになったのでしょうか?

怪談・Jホラーブームの影響

小説では京極夏彦、書籍では「新耳袋」、映画では「リング」「呪怨」といった日本独自の怪談やホラーが日本のみならず世界的に注目されているのは記憶に新しいところです。これらの作品によって起こった怪談・Jホラーブームが怖い話を受け入れる土壌を形成した事とは無縁ではないでしょう。

低年齢層へのインターネットの普及

小学生や中学生の頃は、感受性も強く好奇心が旺盛という時期です。そのため、この頃の年代の子供が怖い話の拡散に一役買うことも珍しくありません。最近はどこの学校でもインターネットの授業が行われ、安価な高速回線が使用できるため毎日のようにインターネットを楽しむ小中学生も珍しくありません。そのため、怖い話の主力層である小中学生がインターネットにたくさんの怖い話を見つけ、自分でも生み出すようになったとも考えられます。

虚実入り混じる中から取り上げる喜び

一般にインターネットは他の既存メディアよりも、虚構が多いと言われています。しかし、全てが虚構ではなく「インターネットの匿名性」を利用して公開された事実も存在しているのです。それは怖い話でも同じで、虚構と事実が入り混じった状態になっているのです。そういった玉石混交の中から自分が本物だと思う話を見つけ出すという、宝探し的な楽しみ方も出来るのです。

誰にも言えなかったことを一度に多数に言えること

怖い話の中には、「聞いた相手にも何かが起こる」という話があります。話した相手が一人だけなら、何か起きたときに恨みを買ってしまうかもしれません。しかし、インターネットの電子掲示板なら一度に大勢の人に伝えることが出来ます。何かが起こる話を一度に不特定多数の人間に伝えれば、その分希釈されると考えることが出来るので語り手にとっては好都合ともいえます。こういった理由が重なって、インターネットでの怖い話が盛り上がっていったのでしょう。


スポンサードリンク






ネット発・現代の怖い話から読み解く






このページをブックマークする