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幻の杉沢村伝説

インターネットの発達は、それまで埋もれていた怖い話だけでなく事実を基にした話をも世間に流通させる機会を創出しました。そういった真偽はともかく、リアリティや禍々しさを感じさせる怖い話のひとつに「杉沢村伝説」があります。一昔前の日本が持っていた閉鎖的な社会の恐怖を受け継いだ杉沢村伝説は、確かに存在していたのです。

杉沢村伝説を追う

杉沢村伝説は、インターネット上で話題になりテレビや雑誌で取り上げられ映画などにもなったほどの怖い話です。現在でも、インターネットを検索すれば杉沢村伝説を扱ったサイトが見つかりますが更新されておらず、徐々に記憶から薄れつつあるようです。




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杉沢村伝説の概要

昭和の初め頃まで、青森県にある杉沢村という小さな村が存在していた。しかし、杉沢村は現在の地図には残っていない。なぜなら、杉沢村に住んでいた一人の青年が突如他の村民を遅い、青年自身を含めた全ての住民を全滅させてしまったというのだ。この事態に対して政府は杉沢村を隣の村と合併させたことにして存在を抹消させた。文字通りのゴーストタウンとなった現在の杉沢村跡には当時の住民たちが悪霊となって住まい、迷い込むものを祟り村から逃さないという。

杉沢村伝説の動き

そして、ネットから全国に発信された杉沢村伝説は、瞬く間に怖い話のトップへと上り詰めていくことになります。テレビ番組で杉沢村伝説が取り上げられると、怖い話を取り扱わないようなサイトでも話題となり、さまざまな雑誌や書籍が次々に出版され、オリジナルビデオ映画が製作され、杉沢村伝説の人気はゆるぎないものとなりました。そして「杉沢村を探そう」と大学のサークルやネット上のコミュニティによる探索も盛んに行われるなどメディアを巻き込んだブームとなったのでした。現在では杉沢村ブームは沈静化していますが、いまだに噂は根強く存在しているようです。

杉沢村に関する話

杉沢村伝説にはいくつかの関連するエピソードが存在しています。いわく「八つ墓村のモデルとなった」、いわく「古い鳥居のそばに骸骨のような模様のある場所が村の入り口」、いわく「村から出ようとすると青年が村人を率いて襲ってくる」といった話がセットになっているのです。これらの話を元に現地で杉沢村を探したグループも多いのですが、話どおりの場所に辿り着いても何もなかったとなると今度は「流布している噂は真実を隠蔽するためのものだ」「本当の杉沢村は噂どおりの場所にはない」という「真・杉沢村伝説」まで飛び出していくことになります。この「真・杉沢村伝説」が登場した辺りからブームは失速していくことになります。

杉沢村の本当の姿とは?

そもそも、本当に「杉沢村」という村が存在していたのでしょうか? 本当に地図上から抹消された村なのでしょうか? それほどの大事件は本当に起こっていたのでしょうか?

「八つ墓村」のモデルは別の場所

「杉沢村は八つ墓村のモデルとなった」という話は、杉沢村伝説の信憑性を高める一助となったのは疑うべくもありません。「八つ墓村」は、横溝正史によって書かれた推理小説で岡山県を舞台にして怪奇的な事件が起こるという物語です。杉沢村伝説では、「八つ墓村の作中で語られる主人公の父親が起こした凶行は杉沢村で起こった事件をモデルにしたものである」とされています。しかし、本当の意味で「八つ墓村」のモデルとなったのは青森ではなく岡山で起きた「津山事件」だったのです。

津山事件とは何か?

津山事件は、昭和初期に岡山県の津山地方で発生した事件です。津山地方の加茂村に住んでいた青年が、自身が患った結核や人間関係の問題で爪弾きにされていると感じたことなどに悩んだ末に真夜中に村人を猟銃で襲い30人という犠牲者を出した後に自ら命を絶ったのです。この時青年は詰襟にゲートル、頭には鉢巻で括り付けた懐中電灯二本、首から自転車用ランプ、腰には刀と匕首、手には猟銃という格好だったのです。この事件の内容と青年の服装がそのまま「八つ墓村」で使用されたのです。

そもそも凶行はあったのか?

杉沢村を壊滅させた事件として語られているのが津山事件だとするなら、本当に青森でそんな事件は起きていたのでしょうか? 青森県内で発生した事件を探っても、杉沢村で起こったとされる事件に繋がる事例は数少なく、村ひとつを全滅させるようなものはないようです。そもそも、津山事件は当時としては世界的にも類を見ないほどの犠牲者が出た事件です。津山事件級の規模の事件がどこかで起こっていれば何らかの記録が残っているはずなのです。しかし、杉沢村で起きたとされている事件は一切記録に残っていません。

そもそも杉沢村はあったのか?

杉沢村は「事件以来地図から抹消された」とされていますが、そもそも事件以前から地図に載っていたのでしょうか? さまざまな資料を調べていくと、「杉沢」という村が地図に載っていたことは一度もなかったようです。なぜなら、「杉沢」というのは近くの小杉地区の呼び名で「小杉さ行く」が訛って「すぎさぁ」になって出来た名称だからです。そして小杉地区の合併による抹消自体はあったのですが、その理由は村が全滅したからではなく定住者がゼロになって機能しなくなったからなのです。

杉沢村伝説は幻だった?

となると、杉沢村伝説自体が一気に疑わしいものになってきます。根拠になるはずの事件もなければ、地図に載っていたことさえなかったのです。つまり、杉沢村伝説自体が複数の話が集合して生まれた怖い話なのです。杉沢村伝説に類似するものとして、新潟・茨城・神奈川に存在するといわれる「ジェイソン村」があります。ジェイソン村はホラー映画のジェイソンのように斧やチェーンソーを使う怪人によって全滅したという話があります。どう考えても、ホラー映画からインスパイアされて生まれたとしか思えない話です。杉沢村やジェイソン村は、人が住まなくなった廃墟をモチーフにして空想が膨らんだ結果に生まれた物語の産物なのです。それがインターネットを介して、全国的に波及したことで社会的な影響を与えるまでに膨れ上がった……これが、杉沢村伝説の全貌なのです。


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