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怖い話 怪談

日本における「怖い話」は、平安時代にまとめられた「今昔物語集」にまで遡ることが出来ます。「今昔物語集」に収められている、「人ならぬ怪異との遭遇」を題材に扱った話は平安時代当時のものからそれ以前のものが含まれています。つまり、怖い話とは時代とは関係なく生まれ続けているものなのです。

なぜ怖い話は生まれ続けるか?

今も生まれ続ける「怖い話」は、いわば日常と非日常の狭間に入ってしまった人の体験談であると言えます。怖い思いをした、不条理な体験をした、この気持ちを誰かに伝えないと気がすまない、と言った感情の整理の過程で怖い話は生み出されていくようです。しかし、こういった定型に収まらない怖い話があるのも確かなのです。




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怖い話の主役は誰だ?

まず、「怖い話」における主役とはいったい誰なのでしょうか? それは体験した当人でも、話し手でもありません。怖い話の主役は「起こったこと」そのものなのです。怖い話を語る上で、恐怖を聞き手に与えるのは登場人物の様子ではありません。日常ではありえないことそのものの描写なのです。

怖い話の温床とは

では、どのような理由から私たちは「怖い話」の原型となる非日常的な体験をしてしまうのでしょうか?

偶発的に出会う

例えば、古典怪談の「のっぺらぼう」などは偶発的に出会った非日常の存在であると言えます。狐や狸に化かされる話などは、人を化かす力を持った動物と偶発的に出会ったことが原因であると言えます。

曰くつきの場所に入り込む

世界中には古戦場であった場所は無数に存在しています。昔は墓地だったけれども、宅地に造成された場所も多くあります。そういった何らかの因縁を持った場所は、非日常的な体験をし易い磁場のようなものを形成するようです。「確実に心霊体験が出来る!」という触れ込みの場所などもありますが、「君子危うきに近寄らず」です

誰かの恨みを買う

人間の関係と言うものは、理屈だけで成り立つものではありません。感情や利害と言った日々変動する要素が複雑に絡み合って成立するものです。そんな複雑怪奇な人間関係の中には愛情や友情だけでなく、恨みも生まれます。恨みというものは、時として非日常的な現象を起こすことがあるのです。

怖い話が生まれる要素とは

では、怖い話は誰かが非日常的な体験をすれば自然に生み出されるものなのでしょうか? 怖い話が生まれるのにも、いくつかの条件があるのです。

体験者

怖い話の元となる体験には、体験者が必要不可欠となります。この体験者は個人でも複数人でも構いません。「誰かが体験した」という事実を構成することだけが必要なのです。また、体験者は霊感や武道経験者のように鋭い感覚を持っている人が多いようです。

土地・場所

体験する場所も大きな要素です。何らかの事件があった場所には、それなりの因縁が存在しているからです。最近は、「霊道」という霊の通り道とされる概念が絡む場所などが注目されています。

体験の内容

怖い話であるからには、不条理であることが求められます。怖さがまったく感じられない体験も中にはありますが、不条理であるということを強調するように伝えれば問題ではありません。怖い話とは、「この体験はどう不条理でありえないことか」を伝えるものでもあるのです。

聞き手

怖い話は、文化の一つであると同時に話題の一つでもあります。つまり、体験者が誰かに伝えなければ「怖い話」は成立しないのです。体験者が「話し手」として聞き手に伝える過程で体験は整理され、伝達のための脚色・推敲が行われるのです。脚色と言っても、完全な捏造ではありません。記憶が曖昧な部分を補完するためです。体験をただ人に伝えても「それで?」で終わってしまうこともありがちなので、順序立てて説明するために推敲するのです。こうして、不条理な非日常的体験は「怖い話」へと昇華されるのです。

創作された怖い話が生まれる理由

しかし、「怖い話」の中にはまったくのフィクションも存在しています。フィクションの怖い話は、映画や小説などの物語としてだけではなく「誰かの体験談」という形でも広まっているのです。では、なぜ「怖い話」を作るのでしょうか?

話芸の一環として作られる

講談や落語などの、話を媒体とする芸能にも怪談として「怖い話」が存在しています。これらの怖い話は、事実を元に脚色されたフィクションであることが多いのです。例えば「鍋島猫騒動」は、現在の佐賀県の藩主であった鍋島家と竜造寺家の対立構造をヒントに作られた話です。このように、昔の怖い話は涼を呼ぶものであると同時に支配階級である武士への意趣返しを行うものとしての面を持ち、芸として昇華されていったのです。

聞き手の反応を楽しむために作られる

現代における創作怖い話は、聞き手が怖がることを前提に製作されるものがほとんどであると言っても過言ではないでしょう。創作者は、ネット文化で言うところの「釣り師」のようなもので、自分の作った話で怖がってもらうことを楽しんでいるのです。

伝達の過程で膨らむもの

いわゆる「都市伝説」とされる怖い話は、実体験談も創作話も関係なく人から人へと伝えられていく中で、伝言ゲームのように変化を起こしていきます。伝えていく過程で、より怖くなるように、より不条理さが出るようにと変化するのです。このように変化した怖い話は、「怖い話」として純化されていったものと考えることが出来ます。なぜなら、怖い話は怖ければ怖いほど伝えられやすくなるのですから。


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怖い話が生まれる理由










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