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夕暮れにベルが鳴る

日常生活の中で、間違い電話やいたずら電話が掛かってくることは、そう珍しいことではありません。しかし、そういった電話が怖い話の重要な要素となっていることも少なくないのです。

夕暮れにベルが鳴る

「夕暮れにベルが鳴る」は、そういった怖い話を題材にして1979年に製作されたサスペンス映画の名作です。2006年に「ストレンジャー・コール」と言う題名でリメイクされていますが、オリジナルに比べて精彩のないアレンジが施されていることもあってかあまり話題に上ることのないままでした。




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「夕暮れにベルが鳴る」の概要

ある女性が二人の子供のベビーシッターとして雇われ、子供たちの面倒を見ることになる。二階に子供を寝かせつけた頃、不審な電話が掛かってくる。女性はいたずら電話だと思い、応対もそこそこに電話を切る。だが、電話は繰り返し掛かって来る。内容もどんどんと女性が居る家に近づいているような内容になっていく。女性は警察に連絡し、逆探知を依頼する。次に掛かってきた電話は「今子供を始末した、次はお前だ」と言う内容。その電話が切れると同時に掛かってきた警察からの電話が伝えたのは、「その電話はあなたの居る家の二階から掛けられています! 早く逃げなさい!」そして、二階から人の気配が……。

有名な都市伝説がモチーフ

この「夕暮れにベルが鳴る」は、日本発の怖い話ではなくアメリカで発生した都市伝説とされています。アメリカでは十代の少女のアルバイトとしてもベビーシッターが定着しており、現地では身近な怖い話として感じられているようです。日本では、ベビーシッターという職業に馴染みがないので子供などの要素が削られた形で流布しています。

知らない誰かが自分の近くに潜む恐怖

この話の肝は、「自分のすぐ傍に悪意を持った者が潜んでいる」という日常生活の中で体験する可能性の高いことを扱っていることにあります。アメリカ発の都市伝説には、この話と同じテーマを持つものが非常に多く存在しています。泊まりにきた友人の機転で難を逃れる「ベッドの下の男」、紙一重で難を逃れる「電気をつけなくて良かったな」、安心が一転恐怖に変わる「舐めるのは犬だけじゃないんだぜ」と言った、侵入者に日常を脅かされる都市伝説が幾つも存在しているのです。

日本における「夕暮れにベルが鳴る」の類型は

「夕暮れにベルが鳴る」をはじめとするアメリカの怖い話では、侵入者が「日常へ不条理な理由で入り込んでくる存在」として描かれています。しかし、日本の怖い話として伝わるようになると日本の文化に合ったアレンジが成されるようになります。日本版では、ベビーシッターの要素が削られて侵入者はストーカーに置き換えられたり、侵入者が自分の携帯番号を電話以外の手段で知らせたりと即物的な恐怖ではなく、じわじわと来る心理的な恐怖を感じられるようにアレンジされているのです。

「夕暮れにベルが鳴る」の意図とは?

では、「夕暮れにベルが鳴る」の類話が流布し続ける理由とはいったいどのようなものなのでしょうか? まず思い当たるのは、「防犯意識を持たせるための訓話」としての役目です。しかし、これらの類話には家の戸締りなどに関しての描写がほとんど描かれていないため防犯訓話として効果を発揮するものではないと考えられます。それに、怖い話の主役である「不条理な出来事」は、いつ起きるか・なぜ起こったかがわからないからこそ不条理であって予防できる性質のものではないからです。

「夕暮れにベルが鳴る」の類話の役目

では、この話にはいったいどのような役目があるのでしょうか? あくまでも怖い話として、聞き手を驚かせる役目でしょうか? どうも、そうではないようです。この話には意図的になのか元々なのか、オチが省かれています。つまり、この話には「この後あなたならどうするか」という問い掛けを含んでいるのです。この話が生まれたアメリカは、フロンティア・スピリッツの名の下に「自分でなんとかしよう」という気概が老若男女問わず溢れている国です。それに、「夕暮れにベルが鳴る」のリメイクも主人公が侵入者と戦う展開になっています。つまり「夕暮れにベルが鳴る」の話は、「女性が強くならなければならない時代」を迎えるに当たって生まれた、シミュレーション材料としての怖い話という役目を持って生み出された話なのです。


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夕暮れにベルが鳴る








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